コラム

ギンランとクゲヌマラン

開発に伴う環境保全措置として移植により個体の保存を図る場合がありますが、種類によっては移植が難しいものもあり、保全上の課題となっています。例えば里山の二次林にはキンランやギンランなど美しいラン科植物がみられ、春の樹林下を彩りますが、これらは土壌中の菌類に栄養供給の一部を依存しており、その菌類もまたブナ科等の樹木に寄生しているため、移植によって生育地の生態系から切り離されると生育できません。また近年ではクゲヌマランと呼ばれるギンランによく似た種類の確認例も増えており、ギンランとの形態の違いを熟知した上での現状把握や、効果的な保全措置を図るための生態特性の理解が必要になってくると思われます。

クゲヌマラン 学名:Cephalanthera longifolia
環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)
こうしてみると確かにギンランとよく似ています。名前の由来は藤沢市鵠沼で発見されたことに由来します。

ギンラン 学名:Cephalanthera erecta
ラン科の多年草で、本州、四国、九州の雑木林の林床で見られます。

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