コラム

生きものを呼び、人も集まる空間づくり

 皆様こんにちは。弊社中部事務所は愛知県名古屋市にあります。
 東京、大阪ほどではありませんが、第20回アジア競技大会の開催やリニア中央新幹線の開業を見据え、 名古屋市都心地域(名古屋駅周辺や栄地区)を中心に再開発が進んでいます。
 近年は再開発に合わせて、生物多様性に配慮した緑地をつくることはほぼ常識となっていますが、 名古屋市でも「なごやのまちなか生物多様性緑化ガイドライン」を策定(弊社受託)し、 市民や事業者等と協働して、生きもののすみか・エサ場・休息場所などに配慮した緑化(生物多様性緑化)を進め、 生態系の回復をはかることを目指しています。
 この一環として、既存の建築空間でも生きものを呼ぶ緑地をつくっていけることを示すため、 モデル緑地をいくつか作っています。この写真はモデル緑地の一つ、栄地区の一角の商業施設 「マルエイ・ガレリア」です。イベントにも使える人工的な広場がありました。 ここにソヨゴやアズキナシ等を主体とした高木から低木のサンショウやヤマハギ、草本のアザミ、 ワレモコウ等、在来種を主体とした寄せ植えの緑化を行っています。
そして緑化後は?
 ソヨゴやヤブコウジの実を食べにきたシジュウカラやサンショウの葉に産卵するアゲハチョウの姿などが見られています。
 殺風景だった広場には新たなベンチも追加され、人がベンチで休んだりする姿も見られるようになりました。 都心のなかで、生きものを呼び、人が集まる緑地が増えていくのが、ごく普通の景色になっていくのでしょう。

緑化前


緑化後

 

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